【感想】唐組 第37回公演「紙芝居の絵の町で」

「紙芝居の絵の町で」、唐組、作/演出 唐十郎、(新宿・花園神社)

花園神社での公演は初めて。
花園神社自体、初訪問なので、わくわくして行った。

あんな新宿駅からすぐのところにあるとは思わなかった。
ビルとビルの谷間をくぐって入るとそこはうっそうとした木々と真っ赤な鳥居が並ぶ空間。
やっぱりここに紅テントがあると映えますねぇ。
いつもいってた西新宿の空き地も、あそこはあそこで異空間の雰囲気(押井守の映画みたいな感じ?(笑))が漂ってますが、やっぱりこっちのほうが情緒があってよろしいね。

今回は、内容が、(今まで見た中では)とても簡潔でわかりやすかったのに少し驚いた。
基本的にいつも、内容が分かるとか分からないとかではなく、怒涛の雰囲気にウワーっと圧倒されながらそこに身を浸すこと自体を楽しみにいってるのだけど、今回は物語に整合性とか複線とかが見え隠れしてたのを感じた。
いっつもなんだかごっちゃゴチャなのに、今回はなんだかつじつまが合ってるように感じさせられた。
(実際につじつまが合ってるかどうかの真偽は、どうでもいいのです。そんな気にさせられた、というところがポイント)

あと、音響の、カチャっカチャっとうるさかったオープンリールの切り替えの音がなくなっていたのも最初アレ?と思った。
MDかなにかになったのか。音楽の切り替えがスムーズでちょっと物足りなかったりして。
しかしそんなことに気がつくようになった私ももう4回目の観劇なのね(笑)

あと今回は、(物語に)暗さとか闇があんまりなかった。題材が紙芝居だったからかなぁ。
私としては、物語の裏の暗闇、毒気を若干感じさせるものがあるほうが好みなので(暗さが見え隠れしている程度。全面的に暗いと、それはそれでダメなんす)、そこはちょっと残念だけど、今回のこの演目自体はとてもまとまっていて最後も爽快で、よかったです。

あぁでももっと、唐さんががっちり主役張って出てくる舞台をみたいなぁ~。
私が見たの、たいてい股引姿で、赤ちゃんのよだれかけしてて、ほっかむりしてたり麦藁帽子かぶったりで、物語の本筋を回す役目ではないんやもの(笑)

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