【感想】桜木紫乃「ホテルローヤル」

桜木紫乃「ホテルローヤル」集英社文庫

「ラブレス」が面白かったので、映画化もされたこちらも読んでみた。
やる気の出ない週末、パジャマのままベッドで寝転びながらの読了。
さらにやる気が無くなった…(笑)面白くないという意味ではなく、読んで元気が出る!という小説じゃないのです。

過去に遡る構成が、劇的で面白く、ちょくちょく前後を読み返す楽しみもあった。

ホントにこの作家さんは、貧しさを淡々と真正面から描くんだなぁ。
物質的な貧しさは、精神的な貧しさ=選択肢の少なさにつながり、そこから抜け出すには、奇跡のようなキッカケと相当なエネルギーが必要なことを、ドラマを通じて語っていると思う。
でもそれがイコール不幸ではないとも語っているのが、おもしろみなんだなぁ。

とはいえ、どっちかというと「ラブレス」のほうが好み。どっちも刹那的なところがあるが、「ラブレス」のほうが生きる活力に溢れてた気がして。

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