【感想】山本文緒「自転しながら公転する」新潮社

小説, 山本文緒「自転しながら公転する」新潮社

山本さんのことを知ったのは数年前のNHKでのあさイチ「プレミアムトーク」。
いつか読んでみよう、と思っていたら、突然の訃報。驚いた。

そしてまたしばらく忘れていて、今回、図書館で予約した本を受け取るついでに「帰ってきた本」棚で見つけ、借りる。

結論、とてもおもしろかった。読んでる間も読み終わったあとも、よかった。
インタビューで「ゴロゴロしながら読んで、あ~おもしろかった、と言ってもらえるものにしたかった」とおっしゃっていて、まさにそれ!そうでしたよ!って伝えたくなった。

煮えきらなくて頼りない、都がとてもリアルでよかった。(友達だったらイラつくかもしれないけど)

いろいろな男性、女性、魅力的なやつもダメな奴もどんどん出てきて、また、親との距離感も常に出てきて、田辺聖子さんの描く働く女性小説の、2020年代版という感じがしたなァ。
都よりも親の桃枝さんに近い歳なので、時折挟まれる、桃枝さん視線の描写があったのも、とてもよかった。
特に、更年期障害からのうつ病状態のときでも、本人なりにいろんなことをちゃんと考えてること…そしてそこからちゃんと回復していくのに、とても励まされた。
なんで自分って、他の人(特に身内)が自分よりモノ考えてないって侮っちゃうんだろ…。思い当たるフシがありすぎて、反省。そして、ガサツだけど明るい時子さんみたいんになりたいな~、と思う。

プロローグ&エピローグのしかけは、私はよかった。なんだかんだハッピーエンドが好きなもんで。
貫一&おみやが、結論を出して二人でちゃんと歩んでいることが、わかってうれしかった。
2040年に日本やベトナムがどうなってるかは、誰もまだ、わからないけれど…。

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