【感想】閻連科「愉楽」

小説,閻連科 閻 連科,「愉楽」,愉楽, 河出書房新社, 谷川毅 訳

愉楽
愉楽

posted with amazlet at 15.03.29
閻 連科
河出書房新社
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中瀬ゆかり親方のオススメだったので読んでみた。
初めての、中国現代文学。

なんかキョウレツ過ぎて、読んでてしんどかった。
途中でやめようとは思わなかったけど。ふわふわした感触でおわってしまった。

私が近現代中国について通り一遍の知識しかないため、この話が全く突拍子もないのか、それともある程度リアリティがあるのか、そんな簡単な事さえ図りかねてしまったのが一因と思われる。

それでもまぁ、読み進むに連れて「これはお伽話とよめばいいんだろうな」とはおぼろげながら分かってきたのだけれど、最後まで「ピン」と来なかった。
だいたい、お伽話にしては過激すぎて。あ、でもお伽話って淡々と語るけどけっこう過激か。
いや、これは生々しすぎるのだ。

すさまじい上昇志向にとりつかれた柳県長の行動には、正直ポカーンとなるし、ひたすら虐げられ搾取される受活村の描写には、ほとほと疲れてしまった。

かといって、おもしろくなかったというわけでもなく。
新しい読書の扉を開けた、のかもしれない・・・。

そういえば一番気になったのは、男女問わずすぐ人に痰吐くってこと(笑)
日本じゃ、相当な侮辱を相手に与える、かなりインパクトがある行為で、少なくとも女性はあまりやらない気がするが、この本読んでると、みんなガンガン相手に痰を吐く(笑)。
こういう感覚も自分とはまるで違うので、なかなかピンとこなかったのかも。

まぁでもこういう発見も楽しい読書体験の一つなんだよね。
あぁでも、ほんとに疲れた!!(笑)

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