【感想】伊藤明彦「未来からの遺言」

伊藤明彦「未来からの遺言 ある被爆体験者の伝記」岩波書店

夏に見たこのドラマがとてもよかったので、原作本を探して読んでみた。

八月の声を運ぶ男 | NHK

【NHK】【NHK公式】戦後80年ドラマ「八月の声を運ぶ男」 主演に本木雅弘を迎え、広島に育った池端俊策が描く、長崎に暮らし日本全国を渡り歩いて被爆者の声を集め続けたジ…

「人間は自分の生と死の意味付けを求めて生きてる」
「人はしばしば、意味付けの得られない生よりも、意味付けの得られる死を選ぶ」

私は、上記の意味を、本当の自分事としては理解できていない。
が、たしかにそうなのかもしれない、という程度くらいには感じることができた。

昔、こうの史代「夕凪の街 桜の国」を読んだ時、被爆者の主役女性が、自分が生き残った意味を、そして死ぬことになってしまった意味を、死の間際までひたすら問い続けていることに軽い衝撃を覚えたのを思い出す。あのときは、そういうものなのかな、という程度だったけれど、今回この本を読み、また私自身がある程度年を重ねたことによって、以前より想像できるようになった。

人間は、意味がほしい。ただ生きてるだけではおさまらない。
だからこそ、物語が生まれるのか。

私は、物語が好きだ。ずっと、物語に助けられて生きてきたと思う。
事実ってなんだろう。

そんなことを、つらつらと考えている。

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