【感想】ニュー・シネマ・パラダイス

「ニュー・シネマ・パラダイス(劇場版)」,Nuovo Cinema Paradiso,
イタリア フランス,1989
ジュゼッペ・トルナトーレ Giuseppe Tornatore,(ビデオ)

また見て泣きました。
夫に一度見せたくて、ビデオ借りてきて見ました。

私は約30分間補完した完全版より、この最初の劇場版のほうが断然好きです。
完全版のほうは、どうにもこうにも夢物語すぎて、なんだか都合が良すぎてアルフレードが神様みたいで、
知らなくてもいいことを教えられてしまったようで、返って冷めました。
ま、先に見たのが逆だったら違うのでしょうが。
最初の劇場版のほうが、説明不足のぶん、突き放した淡々とした描写で、それがよかった。
トトとアルフレードと二人のものがたりなんだな、とシンプルにズバッときました。
(まぁ、別物と考えればいいかな、とも思います。それくらい、見た後の感じが違う!
完全版のほうは、トトの話、という感じがします)

初めて見た高校生のときも、涙ぐみまくったけど、やっぱり今見ると同じシーンでも少し感じ方が違うのがおもろいね。
アルフレードがあそこまでやっきになって、トトを村から出そうとしたのを、より実感として切なく感じました。
30年ぶりに故郷シチリアに帰ってきたトトに話すお母さんの言葉も。

「あなたの生活はあっち(ローマ)よ。
 ここには何もないわ。
 ここにあるのは幻だけよ。」

私の高校生の頃といえば、まだ親元を離れたことがない状態でした。
それから東京へ来て10数年、生まれ育ったところから離れて暮らすということが、少しは実感として分かるようになった。
そういうことも関係してきてるのだと思います。

楽しくて切なくて、涙がとまらないけど、でも決して悲しくつらいとは感じない。
ノスタルジーでいっぱいだけど、懐かしむだけではない、見終わったときは前向きになれる、私にとってやっぱりNo1映画ですわ。

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