【感想】ロバート・ゴダード「リオノーラの肖像」

小説,ロバート・ゴダード Robert Goddard 「リオノーラの肖像」In Pale Battalions.文春文庫, 加地美知子 訳

 

エイクエントのブックエクスチェンジ(本を1冊ずつ持ってきて、交換しあうかたちの交流会)でいただきました。
(私は地元愛100%という理由で「阪急電車」を持っていった(笑))

例によって、後半以降は、ほぼイッキ読み。
終盤は、数々の登場人物の告白によって、どんでん返しにつぐどんでん返しで夢中に。

ただ、しょうがないかもしれないけど、ちょっと女性の描き方が物足りなかった。こういうドロドロものなら、もうちょっとメインの女性キャラに魅力を感じたいのだけど、リオノーラ(母)は清らかで美しく、オリヴィアは怪しく汚らわしく、にのみ徹していて、それ以上の何かを感じられなかった。(男目線で描いてるからしょうがないのかな)

反対に、男性陣はみなけっこう魅力的。大部分の語り手となるトム(orジョン??)の、戦争に怯えながらも結局戦争に逃げこむしかなかった哀しさや、遠い昔の思い出だけを頼りに生き続けるフレッチャーや、やはり昔の思い出に生きてるかと思いきや、やることしっかりやってるチャーターとか(笑) 悲しみを背負いながらも生き方が異なる男達がそれぞれよかった。

まぁ、ミステリにこういうところを求めるのが、筋違いなのかもしれませんが…。(^_^;)

でもじゅうぶん、楽しみました!ついつい睡眠時間けずっちゃいました。
この本の元の持ち主のTさん、ありがとうございました。!

ちなみに、今まで読んだミステリ(少ない)で私が好きだったのは以下…

トマス・H. クック「緋色の記憶」
・トマス・H. クック「緋色の迷宮」

S.J.ローザン の「リディア・チンとビル・スミスのシリーズ」
マイ・シューヴァル、ペール・ヴァールの「マルティン・ベック」シリーズ

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