【感想】万城目学「とっぴんぱらりの風太郎」

小説,万城目学,「とっぴんぱらりの風太郎」,文藝春秋

とっぴんぱらりの風太郎
万城目 学
文藝春秋
売り上げランキング: 6,944

※ネタバレありです。

鈍い私は、ひょうたんが出てきた時点では、これが「プリンセス・トヨトミ」につながることに気がつかなかった。大坂冬の陣・夏の陣が舞台ってこともあわせたら、すぐピンとこなきゃ、万城目ファンとは名乗れないわ。
(まぁ、買わずに図書館で順番待ちしてて、今頃読んでる時点で、たいしたファンじゃないけどね…)

万城目さんのいつものキャラクター構成だなと思いつつ、どういう方向性に話が動いていくのか、楽しみながら、ゆっくり読んでいきました。

・主役の男は、理屈っぽくてそれほど能力も高くないけどプライドは高め。なぜかわりと女にもてる(笑)

・相棒は、ド天然のマイペース野郎。ポカも多いが意外と頼りになる。

・仏頂面で何考えてるかわかんない女子。ヒロインなの?何なの!?

・ライバルは、自分より能力高くて、とにかく嫌な奴。

…等など。

しかし、中盤以降、「ひさご様」のお供さわぎからの大坂冬の陣への参戦、そしてクライマックスに至るまで、急激に血生臭い大活劇に。
目が離せなくなり、毎度のことながら一気に読み上げました。
とっても少年漫画的で、「俺この戦おわったらひょうたん屋になるんだ・・・」なんて、なにそれフラグ立てまくり!分かっててもまんまとウルウルきちゃったわよ!

というわけで、面白かったか面白くなかったかといえば、面白かったのだけど、万城目さんの話にしては、「なんか、普通・・・」と感じたのも事実。

鳥山明「ドランゴンボール」の終盤、バトルにつぐバトル展開を読んでた頃のメンタルに近いとでもいいましょうか(笑)。
これはこれで面白いんだけど、それでもやっぱり、昔の「Dr.スランプ」(=彼にしかないセンスとユーモアにあふれた作品世界)が恋しいなぁという具合。

そう、万城目さんの真骨頂はやっぱり「鴨川ホルモー」だと思うのです。シリアスとバカバカしさの絶妙なバランス、現代人のゆるいドラマと歴史ロマンのせめぎあい。

デキる人だから、血沸き肉踊る活劇を描いても面白いは面白いんだけど、それは別の人でもやってることじゃない?最後、主要キャラクターがすべて死に絶えるエンディングは、万城目作品じゃなくても見れるんでないかい?

・・・なんて、贅沢にも思っちゃうわけです。
ドランゴンボールだったら、最後全員生き返るんだけどな・・・(笑)

とはいえ、作り手が、昔の自分の作品をなぞって作るなんてやりたくないし、やったとしても同じものができるわけがない、くらいは私にもわかります。
また、次回作は期待してまってます。ファンだから!(買ってもないのに偉そうだ・・・)

 

今まで読んだ万城目学作品

お問い合わせ

制作依頼・ご感想・ご質問・お見積りなど、お気軽にお問い合わせください