【感想】町田康「告白」

小説,町田康「告白」, 中央公論新社

告白 (中公文庫)
告白 (中公文庫)

posted with amazlet at 15.05.20
町田 康
中央公論新社
売り上げランキング: 13,442

図書館でなんとなく手にとった本。
この話が、明治時代に実際にあった大阪河内地方の大量殺人事件を元にしていて、その事件は河内音頭のスタンダードナンバーになっているということは、読み終わってから知りました。

ここで詳しく語られています。

<告白>の研究 http://igallery.sakura.ne.jp/iken71/iken71.html

こちらの内容には、いちいちうなずくことばかり。

この本を読んで数ページですぐ「う、これは自分(私)のことを指してるようだ。他人事とは思えない」と感じた。これは私が中学生の時に初めて太宰治「人間失格」を読んだ時と同じ。
あれで私は太宰に一気に魅せられたのだけど、それと同じ感覚をこの年になってから味わえるのはまた嬉しい体験だった。

勢いの良い河内弁で、ひたすらダラダラと語り続ける文体。時々まわりくどくてめんどくさくなったが、全体としてはテンポよく読めた。
母が和歌山だったので、地域的に近い大阪の南部のことばのイントネーションは頭ですぐ再生することができ、ニュアンスもスッと入ってくるのはラッキーだった。

殺人は罪であり、悪かったと謝って済むことではないというのは大前提。
でも、殺人をしでかしてしまう人間は、特別でも何でもないということが、このお話を通してあっさりストンと納得できた。
まじめに突き詰めすぎても出口が見つかるわけではないのが現実。
でもそれがどうしても受け入れられない人もいるのよね。逃げたくても逃げられない人が。

♪まじめに生きちゃバカを見る~♪(←新おそ松くんのOPテーマ)は真実やねぇ。ほんま。
息抜きしながら生きようよ、ね。

 

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