【感想】「バケモノの子」

「バケモノの子」,日,2015,細田守(TOHOシネマズ渋谷)



渋谷のお話を、渋谷の映画館で見てきたぞ!

私は昔から冒険活劇ジャンルが大好きなので、予告でとても惹かれた。
また、ひょんなことから前売り券をゲットという幸運もあった。

でも、分かってもいた。
細田守監督作品に、私はいつも心酔できないってことを・・・。

以前の「サマーウォーズ」感想を見なおしたら、すでに同じようなことを書いていた。

「サマー・ウォーズ」 (natsumikanのおぼえがき 2010年8月9日の記事) 

あ、いやいや、今回楽しく見たのはまちがいない。
実際、泣いた。いや、けっこう泣いた。盛り上がりどころでかなり涙を流した。
しかし、涙の量が感動の量と比例しないのも、現実。

今回の涙は、「ALWAYS 三丁目の夕日」的な感じとでも言おうか。
泣かせどころにハマって目から涙が大量に流れはするけど、脳天かち割られるような新鮮なショックor心臓をつかまれてブンブン振り回されるような衝撃はなかった。(って毎回そんな強い刺激をもとめてるわけじゃないが(笑))

特に、今回もっとも残念に感じたのは「絵」。
せっかくバケモノの街という設定なのに、肝心のバケモノ達の造形が、平凡でつまらない・・・。
バケモノといっても、みなほとんど牛か犬のような見た目。動物を人型に寄せただけで、これをバケモノと呼ぶ必然性が画面から感じられない。

娯楽アニメ映画なんだから、ここ、一番重要なんじゃないかなぁ。
それこそ、これを鳥山明がデザインしてたらどうだろう。もう、想像しただけでワクワクしちゃう。
先々までファンに語り継がれる娯楽映像作品は、キャラクターの造形・デザインがストーリー・演出と同じかそれ以上に重要だと思う。
スターウォーズにしてもマッドマックスにしても。「なんじゃこりゃ?!考えたやつ頭おかしいんとちゃうん?」って思えるキャラやメカの宝庫。
人間キャラクターの絵はおとなしい宮崎駿映画でも、飛行機を中心とするメカは相当マニアックでオタク度半端ない。松本零士なんかもそう。
見た目だけで惹きつけるような魅力的なキャラクターが一人でもいたら、この映画の完成度がガラリとかわったんじゃないだろうか。

あ、あと、アクションもいまいちだったかな・・・。
戦うところ、ケンカするシーンって、これも理屈じゃなくて「かっけー!」と思わせて欲しい。
「あ、今戦ってるな」って頭で理解したあと、それ以上の新しい刺激はなかったのよね。

もちろん、見た目のマニアック度が強くないから、だれでも入りやすい映画になっていると思う。
お話のもりあげ方はほんとうに上手。
でも脚本がそれほど深いというわけでもないから、せめて絵的にもっと強いものがあればいいのに、とつい思ってしまう。

・・・とまぁなんだか手厳しいことを偉そうに書いてしまった。
自分も、無難でおとなしいタッチの絵しか描けないくせに、と我に返って少し恥ずかしくなるのであった・・・。
めっちゃ泣いたくせに(笑)。

追加)
声のキャスティングはすごくよかった。
演じている役者さんが誰か知っていても、その役者さんの顔がチラつくことなく見れた。
安心して楽しめるアニメ映画として絶対重要な要素。細田さんはここについては最高にウマイと思う。

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