【感想】萩尾望都「一度きりの大泉の話」

萩尾望都「一度きりの大泉の話」河出書房新書

竹宮惠子「少年の名はジルベール」を読んだので、これはこちらも読まねば、と図書館で借りて読んだ。
 
なんだか、自分って悪趣味かもなぁと軽く自責の念を感じた。
ごくごくプライベートな部分を覗きたくて、無理やりこじ開けてしまった、悪いなぁと思いながらやっぱり覗くのはやめられなかった、という感じ。
 
何を行っても野暮な気がする。
「覆水盆に返らず」という言葉は、本当にすべてをよく言い表していると思った。
 
有名人になると、痛くもない腹も、痛い腹も、探られて、ほんと大変だな…。
そして、これは、ちゃんと一冊まるまるの量を読まないと、真意が伝わらないなぁと、読み終わってから感じた。
 
ただ、私はどっちの作家さんにも強い思い入れはないし、
よって、どちらが優れているとかも思わない。
「自分が普通と思ってること・普通にできること」が相手にとってはそうではない場合もある。ということの極端なパターンだったのかも。
 
そして何より、作家は、やっぱり、作品が全て。それがいいのだ、きっと。
それでまた、野次馬根性で読んでしまった自分にちょっと罪悪感を感じてしまう。

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